
秋たけなわですね。今年は自然の威力を思い知らされた日本列島で すが、季節は間違いなく巡ってきてくれます。お元気にお過ごしでしょうか?![]() さて秋の花は、春のエネルギッシュな花とくらべ、少し淋しげです が、日本の四季に改めて感謝したくなるような、風情ある花々がた くさんあります。そこで、今回は「秋の七草」のひとつ、「藤袴( フジバカマ)」の話をしましょう。 「藤袴」は、キク科の多年草で、奈良時代に中国から薬草として渡来したものが、野生化したといわれています。元々は丈夫な植物で河原や池の側など湿った場所に群生していましたが、現在は河川の環境変化などにより野生のものは減少してしまい、絶滅危惧種に指定されているそうです・・・。 花色が「藤」に似ていて、花弁が「袴(ハカマ)」の形に似ている から「藤袴」。別名「蘭草(ランソウ)」、「香水蘭(コウスイラ ン)」、「香草(カオリグサ)」。葉を乾燥させると「桜餅」の香 りがしますが、これは「桜餅」に使われる「大島桜(オオシマザク ラ)」の葉と同様の「クマリン」という成分が含まれているからだそうです。 平安時代の女性は、乾燥させたものを袂(たもと)に入れたり、水 につけて髪を洗ったりと、香りを楽しんでいたそうです。 野生の「藤袴」は、絶滅の危機に瀕していますが、園芸種も丈夫で タネをまけば容易に楽しめます。花色は野生種に比べるて、少し赤 みが強いようです。 「藤袴」の花言葉は・・・ためらい・遅延・あの日のことを思い出 す。
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